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大阪 間に合わなくて

その知らせは大阪に発つ前の晩に受け取った。
アメリカからの荷をほどきながらオカンにかけた電話。
左耳と肩で受話器はさんだ受話器を思わず落としかけた。

小さいころからお世話になってる家のおじさんが亡くなりはった。

早い。
あまりにも早すぎる。

今回、帰ったときに、お見舞いに行こうと、アメリカに行く前には
オカンと話してたのに。

また間にあえへんかった。

香港に行ってから、もう何人の大切な人の最期に
こうやって間にあえへんかったやろう。

いつもの飛行機。
いつもの到着時間。

でも、夜の色はいつもより濃いようで、
ものすごく遅れた旅の終わりのよう。
ああ、こんなに遅くなってしもたと、
冷たい空気に身震いする。

家につき、オカンが用意してくれてた数珠を持ち、家を出る。
話すこともなく、話せることもなく、
ヒタヒタと二人分の足音がひびく。

額の中のおじさんの笑顔が胸にささり
ほんまに、もういてはれへんねんやという思いに喉がつまる。
もっと辛い気持ちを心にしまって、気丈にふるまってはる
お家の人の前で泣くまい、泣くまいと引き結んだ口から
気づけば嗚咽がもれる。

ごめんなさい。
間に合わなくて。
もう一度、瞑ってはる姿でも、一目会いたかった。

会えないまま、見送ることができへんかった人らの顔が
浮かんでは消える帰り道。

何回たっても慣れることのない。
いつも心に浮かぶ思い。
大切な人の最期に間にあわれへんほどの
たいそうな暮らしが香港にあるのかと。
自分は何をやってるんかと。
何もかも手に入る人生なんてないとは
わかっているけれど。

それに答える自分の中の声。
何度も何度も自分に言うてきた言葉。

自分が選んだことやから。
見送ることができへんかもしれんあたしの
背中を笑って押してくれた人ら。
遠くからいつも思ってくれる人ら。
その気もちを抱きしめて。
歩かなあかん。
自分の決めた道を一生懸命に。
それしかできへんのやから。

少し後ろを歩くオカン。
夜の空気にまぎれてしまいそうな頼りないその足音に、
思わず足をとめ振り返る。
子供のように手をつなぐ。
どないしたんと小さく笑うたオカンの
あったかい手を、もう一回、ぎゅっと握った。
のみこまれそうに音もない、夜の道ばたに立ち止まって。




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非公開コメント

そうだったんですか!

人生は想いもかけないところで動いてたりしているのですね!

どんなタイミングも計算されているような気がしたり、あまりに突然だったり・・・

悲しかったですね!

お母様の手 温かかったのね!
千の言葉より 心 伝わった気がします。

おかーちゃんの手、握ってませんねぇ。髪の毛はこの前何年かぶりで触りましたけど。多毛の剛毛系だったのにやわらかくなっていました。髪質が変わったようです。歳ですかねぇ。

泣きそうになりました。悲しいです。

又、泣いてしもた。
ホンマにね。
ホンマにそうですね。
私もオカンに会いたなりました。

う、うつくしいわー!(涙、涙、涙~)

そうですか、それは辛かったですね。
遠くに住んでるとすぐに駆けつけれない事が殆どですもんね。
私も地元を離れてるので何人もの大切な人の最期に間に合わなかった経験があります。
自分が今の旦那と結婚し、地元を離れて過ごすのも承知の上なのに
ふとした瞬間、近くにいられたら・・・と思う時もあります。
夜遅く電話がかかってきたりしたらもしかして悪い知らせだったらどうしようと
受話器をとる前に想像する時もあります。
お母さんの手は暖かかったんですね。
なんかジーンとしました。どうぞお母さんを大切にしてあげてくださいね。

海を隔てた場所で暮らしている者の気持ちですよね。
私も覚悟を決めて来たつもりではいるんですけど・・・・・・。

>大切な人の最期に間にあわれへんほどの
たいそうな暮らしが香港にあるのかと。→自分もこう思う事がありましたが、日本にいても大阪にいても会えない時は会えないのだと思ったんです。そして、大切な人の最後を看取れれば幸せなのかと聞かれたらそうでもない。
覚悟は決めてきたつもりですが色々鈍るときもあり…人間とは複雑な生き物です

遠くに暮らす銀ママさんの気持ちが痛いほど分かります。
でも、日本にいても会える時も会えないときもあります。
逝ってしまう人は時を選びませんから。
皆が銀ママさんを応援してますよ。
そしてそんな頑張ってる銀ママさんが大好きなんだと思うよ。
最近、私も母の姿を小さく感じるようになりました。

すべては自分が選んだことやから・・・
では片付けられへん感情が渦巻くよね。
ご冥福をお祈りします。

親孝行せななあ~~~と思うばかりで親不孝。
ちっぽくんか親か・・・・・。
せつなくなるわ~。

心よりご冥福をお祈りいたします。

会えなくても銀ママさんが幸せに暮らしている事が
お世話になった方への恩返しだと思います。

ちょっと話はずれるかもしれませんが、
銀ママさんがこれまで選んだ人生、
銀ママさんが作り上げたご自身、私は好きです。

私くらいの年齢なると、葬儀が多くなります。そのたびに、自分の親を大切にとおもいつつも・・・。
母と娘、何でもない連絡や会話、きっと母親は心待ちにしているはずです。(*^_^*)

いやん、涙出るぅ~
最後に一目会って話がしたかったなあ~って思うことありますね。
でもちゃんとどこかで見守っていてくれていると信じています。
おかあさんとは離れてお暮らしですけど、電話もできるし、会おうと思えば会えるし、できるときに親孝行してあげてください。

よーぅくわかるわー。親のこととか考えると、そこまでして私はここにいる理由があるんか?とほんまに思う。
子供がいるわけでもない、辞められない仕事があるわけでもない、親のそばにいるべきなのか?
って思うよね。
でも、たとえ日本に住んでいたとしても同じことは起こるはずなので、自分の生きたいように生きるべきよね、と自分に言い聞かせてるけど。。。

お疲れの所、父の顔を見に来て下さって本当にありがとうございました☆
父もめっちゃ嬉しがっていますよ。
アメリカに戻ってからはしょっちゅう父は私の夢にでてきてます。母には申し訳ないんですが、私のこと心配してる見たいです。笑。
孫の顔見せるまでは、夢にでてきてもらいますよ!!!

Y子さん>ほんとに。早かったです。
もう一目と思ったらつらかったです。
うちのオカンはあったかい手をしてます。
カイロのような(笑)

ayapodさん>最近、あたしの方から、オカンと手をつなぐことが多いんですが
気しょく悪いからやめて~と逃げられます(笑)

かなりんさん>そうですね。かなり、悲しかったです。
とっても、お世話になった方で、とってもいいおじさんやったんで。

こいはん>いつも、いつも思うことです。
思っても仕方がないと思いつつ。
なんで人は死んでしまうんやろうと
子供のようなことを考えたり。

キンタローちゃん>え? 美しい?
いや~、なんかね、いつかは、誰もがとは
わかってるんやけどね。

bikkyママさん>遠くに離れてると、やっぱりそうですよね。
わたしも夜中の電話はこわいです。
で、間違い電話なんかやと、ほっとするやら、腹がたつやら(笑)
オカンの手はぬくいですね~。
燃えるオカンなんで(笑)

じぇしかさん>そうなんですよね。
覚悟してるはずなのに、やっぱり、
こういう場面になると
つらくなってしまいますよね。

meimeiさん>ほんとに、覚悟を決めてると思ってるのに、鈍りますね~。
親の年をいっていく様をみると
やっぱり動揺したりしますしね。

こむぎママさん>逝ってしまう人は時を選ばない・・・ほんとにそうですね。
毎日を一生懸命やっていこうと
また改めて思いました。
うちもオカンは縮む一方です。
態度はでっかくなる一方ですが(笑)

殿下>あたしもよ。
孝行したいときに親はなし・・・
まあ、でも、うちのオカンはあたしの
推定では120ぐらいまで
生きはると思うんで、あと40年、ぼちぼち親孝行していくわ(笑)

ダイヤさん>ありがとうございます。
そんな風に言っていただいて嬉しいです。
ほんとに、そう思って日々を有意義にすごしていこうと、また思いました。

Coroさん>そうですね~。 わたしも、母が年いってからの子供のせいなのか
お葬式に出ることが、多いですね。
オカンとはあったら喧嘩ですが、それでも、
わたしの帰るのを心待ちにしてくれてる
みたいなんで、ありがたいです。

まりかずさん>ほんとに。
もう一度、あいたかったです。
うちのオカンが、とってもお世話になっているお家のおじさんなんで。
ちゃんとお礼をいいたかったです。
オカン孝行、もっとせなあかんなあと
思いました。

kaoriちゃん>ほんとよね。自分にいいきかせつつ、問いかけつつ、香港に
おるってところはあるかも。
みんなの家族が健康でありますようにと
すごく思う。

achocoちゃん>ほんとに辛かったと思います。
achocoちゃんの、気丈な笑顔に
おばちゃん、泣いたらあかんと思いつつ
ばば泣きやったわ。
ほんとにお世話になって。
夢の中で、あたしがお礼を言っていたと
お伝えください。


私も間に合わなかった。
そんな時。
「間に合わない方が、いいのよ。」
といってくれた友人がいた。
一番の一番の慰めだった。
海外に住む人間にとって。
間に合うことが、孝行・・・とは。
思わないほうが・・・。
でも。
わかる。
最後に、最後に。
会いたかったよね。
なんか、ジェットコースターのような最近だね。
大丈夫?

これってジャスミンかな?>ほんとに。普段は納得してると思ってた部分が、こういう時にでてくるのよね。
いつかは必ず通らないといけない道・・・・
できるだけ、まわり道したいと思います。
プロフィール

 銀ママこと、咲乃月音

Author: 銀ママこと、咲乃月音
1967年大阪生まれ。
1994年より香港在住。
第3回日本ラブストーリー大賞に
入賞、作家デビュー。
家族はウサギの銀姫と
アメリカ人のケガニちゃん。

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